北の大地へ 知床偏

2007.9.10~11

2005年に世界遺産に登録されてから、いつかは知床に行きたいなと思っていた。
とにもかくにも、知床半島を空撮した写真があるのだが、これがまたいい写真だった。
そんな知床を、単純にも是非この目で見てみたいと思ったからだ。
それで、やっとと言うか、ついに4日間をかけて北海道の道東を旅してきた。

これまで北海道は、冬のニセコ辺りに1度しか行った事が無かったので、まずその距離感を把握するのが大変だ。
車では、一日でどのくらいの距離を走れるのか?地図を見ただけで把握するのは困難だった。

そこで手っ取り早くガイドブックをペラペラと捲っていると、モデルになるコースがいろいろあった。
ガイドブックもいろいろ出ているから、それはそれで便利なのだ。

それで旅の計画をざざっと決め、羽田から飛行機で女満別空港に降り立つと、外はサラサラと雨が降っていた。
どうも台風の影響だったのか、仕方なく雨の中を車で走ることにした。

車はレンタカーで、これが何とホンダの4輪駆動だった。
もっと小さめの車かと思いきや、北海道だけに太っ腹だ。

女満別空港から、途中網走市内に入り、そこからオホーツク海を左手に見ながら斜里町へと向かう。
網走の町と言うと、物凄く閉ざされた北のイメージがするが、意外と普通の町であった。

分厚い雨雲が頭上に被さり、オホーツク海は何とも寒々しい景色だ。
単線の網走本線が通っているが、なかなか列車が走ってこない。

途中、多きい湿原があった。一体何が生息しているのか気になる。
信号一つ無い道は、いつの間にか海を離れ、広大な農村地帯へと入っていく。
国道というより、農道と言った方が合っている。そんな農道をひたすらまっすぐ走る。

ジャガイモ畑やトウモロコシ、大根畑だろうか、いろいろな農作物がある。
これだけの農作物があるのに、それでも日本の食品は中国に頼らなくてはならないと思うと、貴重なのかもしれない。
いい景色が有ると小雨の中車を止め、車外に出て新鮮な空気を吸うと微かに肥やしの臭いがする。
僕はこれはこれで悪くは無いなと思うが、連れの方はどうもダメみたいだ。

そんな感じで車を走らせると、また海が見えてくると、そこはもう知床半島だ。
所々に川が流れているのだが、その川の一つにオンネベツ川がある。
どの川もそうだと思うが、今の時期にそこを覗くとカラフトマスが遡上している。
ちょうど産卵の時期なのだ。


カラフトマス


河口には沢山の魚が群れている。
手が届きそうな足元にも魚がいる。
よく見ると、一匹の雌を巡り雄同士が交配の為に争っている。
だから雄の魚の体は傷だらけで、何とも痛々しい容姿だ。
急流の中で小さな自然の格闘が、目の前で繰り広げられている。

そうやって後世に命を託した魚達は、死に絶えて陸に打ち上げられる。
その弱った魚や死骸を、カモメなどの鳥が狙っているのだ。

カラフトマスの魚類が帰る場所があってこそ、知床の自然は成り立っている。
その魚を鳥だけではなく、ヒグマが食べる。美味しい魚の腹しか食わないから、魚の死骸はそのまま植物の肥料になる。
その木々などの植物が、栄養豊かな水を育み、それが川になって海に流れる。
知床の自然は上手い具合になっているのだ。

このカラフトマスは、川に遡上してくるわけだから、産卵前は河口辺りでウロウロしているわけだ。
近くの看板には、カラフトマスを釣るのは8月いっぱいまでと書いてあったから、狙うのは8月が狙い目らしい。

次の日、遊覧船おおろらで、半島をクルージング。
いやあ、なかなかの混みようで、世界遺産になると町の人もいろいろ大変のようだ。

僕は船からヒグマが見たかったのだが、残念ながら姿を現してくれなかった。
天気の方もどうにかもってくれたが、霧が出ていて肝心の知床岳などの山脈は見えない。

沖の方では定置網を張った漁船がいくつかあった。
観光船はそれを避けなくてはならないので、すこし迂回しなければならない。
まあ、地元の人が優先だから仕方がないが。

それにしても、凄い断崖絶壁だ。
この断崖絶壁のおかげで、キタキツネなどの天敵が近寄れず、セグロカモメなどの海鳥の大切な繁殖地となっている。
しかしこの絶壁を、海鳥の卵目当てに登るヒグマがいると言う。本当かね?

皮肉にも、クルージングを終えてから青い空が見え出した。
天気が良くなったところで、今度は知床五湖を目指す。

知床五湖も沢山の旅行者がいる。
木道になって歩き安い森を進んでいく。

最初の一湖は、かなりの透明度で、フナが沢山泳いでいた。


静かな湖面だ

二湖に辿りつくと、微妙に雲が掛かっているが、知床の頂上が少し顔を出した。
この辺りも、ヒグマやエゾシカが頻繁に出る場所らしいのだが、沢山の旅行客の前には現れないのだ。
エゾシカだけは車で何回かは遭遇したが、ヒグマにいたっては遭遇しないことが一番なのだ。
連れは、ザックに鈴を付けていたが、これだけ人がいれば(多かったなあ)ヒグマだって近づかないだろう。

山脈を越える峠まで行くと、どどーんと知床山脈が立ちはだかる。
この時は、空がスカッと晴れ渡っていたので、気持ちの良いドライブだった。
あまりにも気持ちがいいので、最果ての地に来たなあと言う感じがしない。


羅臼岳とハイマツ

しかし、これが峠を越すと、これがまた凄い霧なのだ。
この霧で豪快に見えていた羅臼岳はおろか、数メーター先まで霧で見えなくなってしまった。
クネクネとワインディングロードを降りると、そこは羅臼の町であった。

先程の気持ちの良い晴々とした空が、まるで嘘のようにどんよりとした曇りになってしまった。
山脈を挟めば、天気も違ってくるのかもしれない。

そうして見える羅臼の町並みは、これぞ最果ての町と言う感じが漂っていた。
そこからまた国後国道の長い海岸線の道、そしてこれまた真っ直ぐで長い中標津の農道を走る事になるのだ。

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