ラストチャンス その壱 

2009.11.13

 

傷つき打ちのめされても、這い上がる力が欲しい...。
と、いう歌があったが、まさにそういう状態だったかもしれない。

どの時期も同じだが、ポイントやタイミングを外すと、空振りを喰らう。
湾奥はシーズンオフが近づいているので、それが追い討ちを掛け、次第に焦りに変わっていく。

まだ、チャンスはあるはず。

闇に染まった、荒川の河口。
釣り人は、寒さからか、それとも次第に雲行きが怪しくなったからか、そそくさと釣り場を後にしている。
その寡黙さに、「え!みんな帰っちゃうの?」と言いたかった。
普段は、何人か釣り人がいるが、この日は人っ子一人見当たらない。
天気予報では、夜から次第に雨が降り、天気は荒れるらしい。
確かに、ここは引き上げた方が利口かもしれない。

けれど、僕にとってチャンスは幾日残っているのかを考えると、竿を出さずにはいられないのだ。
人間が居ない分、文字通りチャンスなんだとポジティブに考える。

ポイントに立つと、かなり北風が強い。
それが、冷たく首筋を撫でていく。
雨は、まだ霧状なので、天候が悪くならないことを祈るしかない。

が、予報どおり雨が降り出してきた。
あー、そーですか、そーですか。
雨くらいで、こっちはへこたれてたまるかってんだ。
大体、恵みの雨って言うだろ?
ドンドン降ってきやがれ。

と、強気になっていると、ゴンとヒット!
ギュイーンと、ドラグが悲鳴を上げる。


X-rap8で68センチ(たまにはブツモチ)

おーし!熱くなってきたぜ!
そう、不思議なことに、魚を釣ると体も心も暖かく成るのだ。

暖かくなるけど、冷めるのも早い。
結局、この一本だけかなと、それから小一時間粘る。

かなりソコリに近い状態になったとき、結構流れが重い場所があった。
前から、かなりお世話になっている流れのポイントだ。
下げ潮と、止むことの無い北風が、拮抗して作りだす流れ。
そこにグースを遠投する。

とりゃ!

ヒュルルル...。

グースは、まるで獲物を見つけた鳥のように、一直線に流れの向こうに飛んでいく。
(グースってガチョウと言う意味だっけ?)
そして、流れに合わせて早めのリトリーブ。

ゴゴ!

ん!?居るか?

もう一度、ピヨーン。

ググ!来た!

サイズはまあまあだが、魚は確かに廻ってきている。

そして、期待通りに反応が出る。


グースで62

よーし、よーし。
どんどん行ってみよう!

調子に乗ってBoots140にもバイトがあったが、これには乗らなかった(このルアーで反応出たの初めて)。
ならば、少しレンジを下げる為、ルアーをTKLMに替える。
そして1投目でヒット!


TKLMで70(結構雨が降ってきた)

おお!入れ食いではないか。

更に、次も着水して、ジャークを入れた瞬間にヒット!
これが、かなり暴れるファイターだった。
くぅー、痺れる!


72センチ

やっと、秋のシーバスシーズンを味わえた感じだった。


60くらい。ベイトを吐き出した

それにしてもバイトが続く。
シーバスの口から、食べかけのイワシか何かを吐き出したので、イワシに着いた群れが廻ってきたのだろう。
秋のシーズンはPEラインを使うのだが、今日はまだ一本もバラしていないのが有難い。
それだけ、ガッツリ喰っているのかもしれない(ラーメン二郎の様に)。

ルアーをグースに戻し、数度バイトを得る。
小さいサイズは、足元でフックアウトさせる。

次第にサイズも落ちてきた。

もう少しサイズが欲しかったが、贅沢は言ってられない。
イワシを追い回す、横溢するシーバスの力強さを感じた。

タイトルに”ラストチャンスその壱”と付いているが、”その弐”があるかどうかは分からない。
多分、神様にだって分からないだろう...。

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