驚愕、そして感謝

2010.11.27

 

シーバス釣りをやっている限り、やはり狙うは80センチ以上のランカーサイズ。
しかし、大型になればなるほど、ピラミッド状にその個体数は減ってくる。

60センチ前後クラスのシーバスのファイトもそれはそれで楽しい。
彼らは良く暴れてくれるし、アングラーを楽しませてくれる。

そして、産卵前の秋のシーズンは、誰もが狙うであろうランカーシーバス。
シーバスにとっては命を受け継ぐための産卵前の荒食い。
それを追うアングラーにとっては一年の締めくくりみたいなものだ。

ランカーを獲るのは簡単なことではない。
簡単ではないが、可能性としてはもちろんゼロでは無い。

そんな魚を出す技術も知識もあまり無い僕は、もう足で稼ぐしかないのだ。
だから、この秋のシーズンはとにかく雨が降ろうが槍が降ろうが、足しげく通うことを決意した。
結果はどうであれ、とにかく現場に居ることでシーバスと向かい合い、そして対峙してみたかったのだ。

そんな調子で意気込んだものの、81センチを出したのがやっとであった。
それは確かに嬉しかった。
時にウェーダーの中に水が浸水し、時にカメラが水没し、時に新ポイントで連続ボウズなど苦しい時があったが、その81で有る意味救われた。

が、しかしである。
もう一歩前に進めないか?
もう一歩とは、自己新記録を叩きだすことだ。
せめて80センチ後半位は獲りたい...。
そのチャンスがやはりこの晩秋なのだ。

いや、もう厳しいだろう。
いや、いや、何が起こるか分からないから、釣りは面白いのだ。
いや、いや、いや、そうやって続けていたって結局釣れないじゃないか。

何度も同じ思いがグルグルと頭の中で回っている。
まあ、僕の基本スタイルは、とにかくやってみるべ!やってみないと始まらない。
という精神で、軽くない腰を上げ、今日も釣りに行く。

僕はウチの人に、
「今日で、湾奥を閉幕する。最後にでかいの釣れればいいけど、でももう厳しいから小さいので良いから釣れないかな」
と言う。

ウチの人は、
「まだそうだとは決まっても無いのに、勝手に未来を決めつけるのはおかしい」
と。

それはそうだが…

かなり、前置きが長くなった。

上げの荒川に着く。
ロッドをセットしていると、DS氏からのメール「出撃してんの?」と。
彼とは下げのポイントで合流することにした。
そう言えば、去年の今頃もDS氏と釣りに出て2本獲って閉幕したのだ。
と言うことは、今年もとりあえず2本は釣れるかもしれないと淡い期待。

でも、やっぱり厳しかった。
風がもっと吹いているのかと思いきや、全くの無風。
おまけに流れも殆ど無いみたいだ。
唯一救われたのが、もう季節的には冬なんだけど、今日はどちらかと言うと暖かい方だった。

数か所周り下げポイントに。

DS氏が来る前に何本か釣っておきたい。
潮が当たるポイントでチョーサンにヒットが、水中でバラシ。
これは引きからして40クラス。

そこから本流をずらしながら打っていく。
相変わらず、風も流れも乏しい。
川面を良く見ると、小魚の群れがザワザワと泳いでいるのがわかる。
それを追っているのか、水鳥も時たま水中に潜っていた。

うーむ。
牧歌的と言うか、とにかく穏やか過ぎる。
こう言う時は屋形船なんかで、天ぷらでもつまみながらディズニーランドの花火でも見るのが最適なんじゃないかと思えるほど穏やか。

DS氏と合流し、一緒に釣りをする。
彼は、水面が静かだから、トップウォータープラグで探っていたが、やはり反応が無いみたいだ。
あー、こんなんだったらさっきの小さいヤツを釣っておけばよかったよとセコイ考え。

トロリとした緩い下げ潮にいくらかの期待をしつつ、反応が無いまま時計は22時を指そうとしていた。

少し離れた下流でDS氏がロッドを振っている。
ここで一匹でも釣れれば文句無いんだけど、この状況はでその見込みも無い。

後、3投くらいしたらやめるか...。
これはこれで後ろ髪を引かれず、潔く閉幕できると言うもんだ。

セレクトしたルアーはグース125F。
昔、ゴルゴ横山さんがこのルアーの事を、良く飛び、良く泳ぎ、良く釣れる3拍子揃ったルアーだと言っていた。
僕は、このルアーのルックスも非常に好きで、シーバスをやり始めた当初から使っている大好きなルアーだ。
コイツに来てくれれば...。

2投目のダウンのU字を切ったところで、今までの沈黙が破られた。

ジョバっ!

と、数メーター手前で物凄い水柱が立つ!
思わず「来た!」と声を出した。

魚は一旦走るが、それをポンピングで寄せ、ランディング態勢に入る。
見た目70センチはあるだろうが、よく分からない。

すかさずヘッドライトのスイッチを入れ、ネットを魚の頭の前に差しだした瞬間、フっと軽くなった。

バレたか...

そう思ったが、魚は勃然と走り出した。
今度は上流に向かって数メートルラインを出された。

...でかいか!?

魚が止まってもう一度ポンピングで寄る。


ジーーーーーーーーーー!!

ロッドは、バットの辺りから曲がっている。
もの凄いパワーだ。
何なんだこの引きは!?
魚の引きと言うよりも、イノシシとかそういう獣を相手にしているみたいだ。

今まで味わったことのない引き(いや一度だけある)。
ん!?これはもしかしてエイか巨鯉か?と思ったが、さっきランディングしようとした時にシーバスだと確認している。

これは間違いなくかなり大きなシーバスだ!

と、確信した途端、足が震えてきた。
その引きから想像するシーバスの大きさ、そしてラインブレイクしてしまうのではないかと言う、ネガティブな考えが交差する。

駆け上がりやストラクチャーにラインを擦らない様に、少しロッドを上げ気味にし、ラインを極力地面に近づけないようにする。
ドラグを少し締めて、もう一度ポンピングで寄せる。
寄せたが、今度は前方下に潜ってしまった。

これは全然楽しくは無い。
もう緊張のしっぱなしで、ただロッドを立ててドラグ音を聞いているしかないのだ。

そしてやっとチャンスが来た。
やっと魚が浮いてきて、ネットが届くところまで寄せることができた。

と、言うかネットに入るかが問題。
頭からランディング。

お、重い!

そして、陸に上げるとその大きさに驚愕してしまった。

「何これ!?」

DS氏が駆け付け、いつの間にかそばにいたAクンがメジャーを差し出す。

「で、でかい!!」

「何なんだこれは!?」

DS氏の計測で、

全長95センチ!

股下93センチ。
自己新記録なのは言うまでも無い。


グース125Fで95センチ!

そのあまりにも大きさに、興奮しっぱなしだった。
とにかく凄い。
今まで釣ってきたシーバスとは、型も引きもまるっきり別物と言ってもいい。

しかし、まあ良くこの状況で釣れたものだ。

と言うか、

こんな凄いのが居るのが驚きだ。

いやあ、それにしても凄い。
魚のファイトと興奮で疲れて溜息しか出ない。

蘇生してやり、シーバスは凛然と泳いでいく。


グースは前のフックが2本曲がっていた(よくバレなかったな)

感無量であった。

何も言うことは無い。

ただただ魚に感謝するしかない。

しかし、まあ、である。

しかし、よくまあ、最後の最後で出てくれたよなあ。

朝までコースのお許しが出たDS氏とAクンは、これから千葉でウェーディングをするとの事だった。
僕は、早めに湾奥を閉幕をした。

本当に良かった。

感謝。

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