廻り目平キャンプ

2012.9.13~14

 

7,8年前に長野県にある金峰山と言う山に登った事が有った。
山の造形美もさることながら、まずその流れている千曲川の源流でもある金峰山川の透き通った美しさに魅かれてしまった。
金峰山川もそうであるが、その周辺の千曲川上流部にはポツポツとフライフィッシャーマンが竿を出していのだ。
当時、まだ渓流釣りなどやったことが無かった為、何時かはやりたいなと思っていた。

そして今回、その忘れかけていた想いをやっと実現することにした。
金峰山の麓にはキャンプ場があり、そこでキャンプ&フィッシングをしようじゃないかとD氏と決め込んだのだ。

何時ものように深夜から東京を発ち、清里を通り抜け、標高1000メートル以上の千曲川上流部へとやって来た。
早朝と言うこともあり、さすがに東京と比べれば肌寒く、河川敷から覗きこんだ川は僕らを待っていたかの様にゆっくりと流れていた。


千曲川上流部

折角、朝一で長野まで来たのだから、やはり魚の顔は拝みたい。
前回の渓流釣行ではニジマスしか釣れなかったので、今回はヤマメ、イワナを期待したのだ。
その為に、5.6フィートのトラウト向きのロッドを新調。
リールには3ポンドのナイロンラインを巻き、ルアーも調達した。

そして、逸る気持ちを抑え、静かに入水。
水の冷たさがウェーダーを通して分かる。

5.6フィートのロッドの試し振りも束の間、深場になっている葦の際をアップクロスでトレースしているとプルルっと生命反応。
何か掛った!


リュウキでヤマメ

かなり小さいが綺麗なヤマメだった。
これは幸先よろしいが、その後同じように叩いて20センチクラスがヒットするもバラしてしまった。
まあ、とりあえず魚が釣れてくれたので、千曲川での釣りは切り上げる。


相木川

更に相木村の奥まで車を進ませ、里川にポイントを移す。
何処から入水しようかとウロウロしていると、野菜販売の軽トラックからおじさんが日に焼けた顔をのぞかせ「釣れたかぁ?」と声を掛けてきた。
「先日、放流したばっかりだから釣れっと」との事だった。

その言葉通り、この里川ではイワナが好反応。
足元までルアーを追いかけてくるは、一旦逃げた魚がまたチェイスし直してくるはで、まるで管理釣り場状態。
放流物の魚はあまり人間を怖がらないみたいだ。

D氏曰く「全然引かない魚」であったが、サイトフィッシングなのでこれはこれで楽しかったし、釣ったイワナを4尾キープ出来た。


ダブルヒット。ifishやドクターミノーでイワナ。

昼も近く、この川を後にし、更に峠を越えて川上村へ。
この辺りに一軒だけあるスーパーマーケット″ナナーズ”に食料調達に向かう。
しかし、この峠の先にその様なスーパーマーケットはどうも不釣り合いで、本当に存在するのかと思うくらいクネクネとした峠道を進むと、それは突然と現れた。

早速、近代的な″ナナーズ”に立ちより、食材やらを色々買い込む。
ご飯、パン、パスタ、半額の牛肉、氷、ガス、調味料、朝に収穫されたレタス、その他飲料等。
何だかんだで5千円近くになってしまった。

それらを抱え込み、コスモスが咲き乱れる農村地帯を抜け、更に山の奥へと車を走らせやっと廻り目平キャンプ場に辿り着く。
そそくさと、手続きとキャンプの設営を済ませ昼飯を作る。
この辺りは見渡す限り農耕地で高原野菜を作っている畑が広がり、まして店など無い為、やはり食事は自炊しなければならない。

先ほど釣ったイワナは、バターとキノコを一緒に入れホイル焼きにする。
2つのバーナーでスパゲティを茹で、新鮮な採れたてレタスは千切ってサラダにする。

標高1500メートルにあるキャンプ場は青空が広がり心地よく、更にその下で食べるのだから飯も美味いのだ。
少々至福の時間を味わった。

どこからか「おーい」とか「○×△★!!」など意味不明な雄たけびが響いてきて、何かと思えば切立った岩場にへばり付くクライマーたちの声であった。
この場所は日本のヨセミテと呼ばれており、クライマー達が凌ぎを削っているのだろう。
もちろん金峰山に登山に向かう人や、フライフィッシャーマンも居るが、このキャンプ場はそう言ったアウトドアをやるには持ってこいのキャンプ場だってことだ。


廻り目平キャンプ場にて、ウェーダーも良く乾く

一休みしてから、いよいよ金峰山川で釣りを再開。
目的の川はテント場の脇を流れており、その少し上流部から入渓する。


金峰山川に入渓

雨量が少ない為か、やはり減水している様に感じる。
しかし、改めてその川をみると、まるでバスクリンでも入れたようなエメラルドグリーンの色合いが透明度の高さを物語っていた。

そのあまりにも透明な川な故、魚の方からも我々の姿が見えるわけで、なるべく態勢を低くしてのキャストはこれはこれでやり辛い。
そもそも、魚影も確認出来てないわけで、更に大きな岩にしがみ付き遡上していくわけだから、非常に難易度の高いアプローチとなるわけだ。
D氏も岩に足を滑らせ擦り傷をつくるなど、危険性も増してくる。
これで魚の反応が有れば良いのだが、上流から餌釣りの人が下って来てバッティングになってしまった為、この日はそこで納竿をせざるを得なかった。

夜は買って来た肉を焼き、釣れたイワナは串焼きにした。
薪を拾ってきて焚き火をするはずだったが、これが中々難しい。
拾ってきた木が幾分湿っているし、標高が高いので酸素濃度が低く燃焼力が弱い。
そもそも焚き火を起こす技術が無い為、結局炭を使うことにした。
そう思うと、普段の生活がいかに便利かが思い知らされる。
普段の生活でもガスを使って料理すらあまりやらないので、それは尚更なのだ。

しかし、このたき火を起こす作業は面白い。
何もないところから作り上げていくと言う面白さと、そして何よりも火の温もりがたき火の魅力だ。

テント場は闇に覆われ、食事を終えたら次第に寒くなって来たので、シャワーを浴びそそくさと20年モノのテントに潜り込む。
持ってきた本を広げ5行も読まないうちに睡魔が襲ってきた。
仮眠もとらず川歩きをしていたのか疲労が溜まっていたのだろう、いつの間にか深い眠りについていた。

朝方目が覚めて時計を見ると5時を指していた。
テントから外を覗くと、テント場は山の陰になっていて辺りはまだ薄暗かった。
それに少し肌寒く、東京のあの蒸し暑さが遠い記憶の様で、フト隣で軽い鼾を掻いている相棒を見ると、寝袋の上に服か何かが掛っていた。

少し寝坊をしたが肌寒さと昇ってくる太陽が気持ちが良く、食パンにハムと昨夜残しておいたレタスを挟んでサンドイッチを作り、バーナーでお湯を沸かしコーヒーを淹れ朝食を摂る。
考えた末に二日目の計画は、金峰山川上流部での釣りは多少難しいと判断し、少し下流域にポイントを絞る。

少し下流に来ただけで、趣はガラっと変ってしまうがここも金峰山川。
テント場の芝生の上にもシカのフンが転がっていたが、当たり前だがこの辺りの森はシカなどの野生動物が生息する。
野生動物から農作物の被害を避けるため、道路脇にはフェンスの囲いが有り、例えば釣りなどで囲いの中に入る為には鎖が付いた扉から中に入らないといけない。
そう言った野性的な山岳渓流を遡上してきながらの釣り。


日中はまだ夏の暑さで、川の冷たさが気持ち良い

木が覆い茂っていたり、流れが強くなったりで、釣り的にはテクニックが必要になるが、自然の中で遊ばさせてもらっている感じ。
それにしても、ルアーが軽い為に思うように飛ばすことが出来ない。
狙ったポイントに確実に落とす為にはそれなりのテクニックが必要とされるし、手返しの早い釣りが要求される。

そうやって川を釣り上がりながらも一向に魚からの反応が得られず、これはもしや先行者の可能性大だと思っていたら、案の定フライの人が前方に見えた。
折角の遡上途中でこの川を断念し、ポイントチェンジをしなければならなかった。

隣に流れている梓川(あの梓川では無い)にポイントを移す。
ここは砂地になっており、ここも非常に綺麗な川であった。
まずD氏が早々ニジマスをゲット。
こんな砂地でのヤマメなどは白っぽい魚体なのだろうなと思ったのだが、結局ここにも先行者ありで移動。
急斜面の崖を登り道路へ上がると、広大なレタス畑が広がっていた。
このレタスを運搬する大型トラクターが頻繁に走っているのも、この地域がいかに農耕地かが分かる。

この辺りは寒暖差が激しいのか高原野菜が有名で、このレタスも瑞々しくとても美味しかった。
昼食はカップ麺とお弁当に作ったレタスサンドを食べ、それから一旦キャンプ場に戻り、テントを仕舞い、仮眠をとる。

もう一度仕切り直しと言うことで、金峰山川周辺を散策後、結局朝一に入ったポイントに入る。
先行者が消えて3時間以上は経っているが、魚の警戒心が取れたかどうかは分からない。

そしていざ入渓してみると、D氏がやっと魚影を確認できたとの事。
しかしながらチェイスは有るものの一向にヒットまでは行かず、結局堰堤まで来てしまい、そろそろ日が落ちてきて釣りも終了かと思った。

堰堤付近の溜まり場は、フライフィッシャーが丹念に攻めていた場所なので魚は間違えなく居る。
流れもない所なのでミノーなんかでは到底釣れる気配なし。
場所的にどうも管理釣り場の様なので、管理釣り場用のスプーンを投げていたらこれに反応あり。
最後の最後で、落ち込みにスプーンを落としたらヒット。


キンプのイワナ

まあまあのイワナが釣れてくれて納竿することが出来た。

今回の釣行はとても楽しみにしていたのだっが、放流モノであるが魚が釣れてくれて本当に良かった。
そう考えると、天然モノの魚を探しあてたり、釣りあげたりするのは非常に難しいなと思った。
D氏曰く、天然モノの引きは放流モノのそれと比べて別物らしい。

そして渓流釣りに関しては、大体において10月からは禁漁期間となる。
2日間、山間の川でロッドを振っていたが、やはり自然の中に身を置いておくだけでも非常に気持ちの良い物だった。
来年の渓流での釣りがまた楽しみなのである。

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廻り目平キャンプ」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 史上最短の頂上達成(北奥千丈岳) | FIELD DIARY

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