木曽の釣り旅、2日目

昨夜は暖かい寝袋に入ったらいつの間にか寝ていみたいだ。

目覚ましをセットした5時にはまだ早かったが、外が薄らと明るくなり始めた為テントから出る。

少し肌寒いが早朝の高原は気持ちが良く、木曽駒ヶ岳方面を見上げると山頂付近には雲がかかってたが、今日も天気が良さそうであった。

朝露が付いている隣のテントの中から、寝癖をつけた相棒もむっくりと出てきた。

朝飯前の少しの時間、キャンプ場脇に流れる正沢川を攻めるのである。

ゲーターを履いたら早速冷たい川に立ちこみ遡上する。

昨日釣果が出た、少し深場になっているポイントを叩いてみる。

何度かルアーを投げても無反応で諦めてその場を後にしたが、何とその後から続いた相棒が同じ流れを狙って魚を掛けた。

岩の際を狙って出したヤマトイワナだ。

なんだ、しっかり狙えば魚を出せたのだなと少し反省。

朝一で出たからこれは気持ちが良いだろう。

この魚が出たことと、昨日の好反応から大いに期待はしたが、予想に反して途中の淵や大きな堰堤からはチェイスも出なかった。

昨日、あれだけ好反応であったのになぜ?と思うが、「昨日は夕まずめで多少日が暮れてたから」と相棒は漏らした。

堰堤を大きく越えて、さらに上流を目指す。

巨大な堰堤の上にはこれまた巨大な流木が数本無造作に横たわっていたが、これは堰堤の上まで水が迫ったのだろうと想像すると、自然は実に恐ろしいものだと思ってしまう。

堰堤を越えると、先ほどの穏やかであった川よりダイナミックな山岳渓流へと趣が変わった。

この正沢川の上流は木曽駒ヶ岳の懐まで通じているが、雲が取れ朝日に照らされた目の前に聳える山は、それが果たして木曽駒ヶ岳かどうかはよく分からない。

伊那側の小黒川渓谷から木曽駒ヶ岳に登ったことがあったが、その頃は渓流釣りをやろうとは思っては無かったと思う。

魚からのチェイスが幾度かありこれはチャンスだと思いきや、案の定リュウキのツイッチに喰ってきてくれた。

サイズは大きくはないが、これもニッコウとヤマトとの交雑イワナかな?

まあ朝一だから嬉しいよね。

さらに大きな岩凌が増え遡上するのにも一苦労だが、ここで朝の釣りは一旦終了。

既に釣り人が入っているのかは分からないが、いまいち魚からの反応は得られない。

というか、流石にお腹が空いてきてひとまずキャンプ場に戻ることにした。

湯を沸かしコーヒーを作り、ソーセージを焼いてパンに挟んで齧る。

少しグダグダしてしまったが、散乱した昨日の晩餐の後片付けテントなどを片付け釣りを続ける。

この日の天気予報では、こんなにも天気が良いのにも関わらず午後から雷雨があるとの予報であった。

そんな事もありどの川へ入るかと悩むが、適量の水が流れている正沢川でやることにした。

その上流部も気になるが、結構急峻な渓相なので雷雨のことを考えてのことだ。

イバラの生えた崖を藪こきしながら川に降りる。

開始早々相棒に反応あって、これは期待が持てそうだ。

日が登ってきたので、森の中を流れる川はシェードが出来て有難い。

それにしてもここも実に美しい所だよ本当に(メマトイなどの虫も少なかった)。

まさかと思って、ドカンの中にルアーをアンダーキャストすると魚が食って来た。

これはバラしてしまったけどこんな場所にも居るんである。

上流の急峻としたゴツい岩凌地帯の川も緊張感があって良いが、それと比べればフラットな箇所も楽しい。

まあその分釣り人が入る確率も高くなってくるが。

途中の淵からの流れで、ミノーの抜き上げどきにすかさず小さいのが食って来た。

このルアーの泳ぎに着いてくるのだから、イワナの遊泳力も凄いなと思う。

しかし、そんな流れの強い川に生息してるイワナだけど、本当は早い流れが苦手らしい。

サイズは大きくはないが、この魚が昨日釣れていれば塩焼きが食えたのだろうなと。

少し余裕が出て来たので、釣れたポイントを写真などに収めていた。

写真を何枚か撮り、バックハンドキャストの練習がてら、流れの脇の岩場にルアーを投げる。

何度かキャストしリトリーブしていると、途中で重くなった。

一瞬根がかりかなと思ったが、ブルブルいってるので魚がヒットした!

なかなかの引き味であったのでこれは尺行ったか!と緊張したが、抜き上げるとスレがかりであった。

尺は行ってないが、本日最大の25センチのイワナであった。

ミノーはダイワのシルバークリークミノー。

バックハンドキャストの練習で何度も叩いたにも関わらず、よく反応してくれたものだ。

しばらく写真を撮っていたお陰でポイントを休めたから良かったのかもしれない。

堰堤まで釣り上がりこの川を退渓。

肝心の大堰堤は入ることができなかったが、もし竿を出せたらどれほどの魚がいたのかとこれまたロマンが広がる。

相棒も数匹キャッチしていた。

心配された雷雨も降る気配はなく、最後は緩く木曽川本流で軽く竿を振った。

この場所は4年前にも来ており、ここで釣りがしたいなとその頃は思っていた。

周りは山に囲まれており、それが故に日が傾けば夕方くらいからは暗くなってくる。

それほど民家もある訳ではなく、暗くなると明かりはその灯りと街灯くらい。

多分、昔からそれ程変わらない風景がそこには残っているのかも知れない。

帰りは権兵衛トンネルを抜けて、箕輪町側の見晴らしの良い温泉で疲れを取る。

畳の大部屋で仮眠をしてると、今になって雷雨があり外はピカピカ光っていた。

キャンプ場のことを思うと、何とタイミングが良かったのだろう。

相棒は、雷雨と共になぜか花火の音も聞いたとのことであったが、仮眠していた僕の耳には雷の音しか聞こえなかった。

“木曽の釣り旅、2日目” への 2 件のフィードバック

  1. 7月の上旬に知床に、入りました。オショロコマを狙いました。20センチから35センチの大きさで150位上げました。とても面白かったです。ヤマベも30センチ前後でやはり、150位上がりました。おすそ分けをしてとても喜んでくれました。

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