滝の上の地熱発電所

朝方、雫石町のホテルを出て、葛根田川(かっこんだと読む)の上流へ向かう。

山道の両端の木々は半分が紅葉し半分が枯れてしまい、その葉が朝日に照らされていた。

周辺はブナの原生林が広がっている。

葛根田渓谷の途中に鳥越の滝という滝がある様なので、途中で車を停めて散策してみた。

川がかなり深い谷底に流れており、最初はその滝がどこにあるのか分からなかった。

どうも見下ろす滝の様で少し足がすくんでしまうが、水量もあるし中々迫力がある。

うむ、滝壺の深くなったところには大きな岩魚がいそうだなと、ついつい想像してしまうのだ。

この辺りは相当深い谷になっており、谷底に降りるのはかなり大変そうである。

そして、ふと上を見上げると、山の至る所から水蒸気が発生している。

これは何だか地獄絵の様であったが、地下の地熱流体からの熱が水蒸気となっている様である。

近くに秘境の温泉施設もあり、その温度が100度と日本一温度が高い温泉を売りにしているみたいだ。

温泉に入った瞬間に火傷をしそうだが、もちろん水で薄めているのだろう。

もう少し上流はどうなっているのだろうかと車を走らせる。

すると何やら煙を黙々と吐いている建造物が見え出した。

近くに行くと、キーン!と物凄い大きな音がしてかなりの大迫力である。

これは水蒸気の熱を利用した地熱発電所なのだ(もちろん東北電力)。

この発電施設が周辺に数箇所あり、パイプなので繋がれている。

山間部にある発電所は、水力発電所や火力発電所だが、この地熱を使った発電はそれと比べるとかなりクリーンエネルギーで自然にも優しいとの事である。

この施設を訪れた後日、奇遇にもこの葛根田の地熱発電所がこれから注目される自然エネルギーだとニュースに流れていたので少し驚いてしまった。

岩手県は東京からはかなり遠い場所である。

そこにどんな魚がいるのかと思うと、これまたロマンがあるよなあ。

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